今回は井上雄彦さんの人気時代劇漫画「バガボンド」について書いていこうと思います。
1998年から週刊モーニングで連載が開始されましたが、実は今長期休載の状態なんです。
このまま完結しないで打ち切りになるのではないか?それとも今後連載が再開する日が来るのか?そこで今回は「バガボンド」の休載理由や作者の現在、今後についてはもちろん、改めてこの作品のあらすじや見どころ等も書いていこうと思います。
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バガボンドについて

「バガボンド」は、井上雄彦さんによって描かれた漫画で、吉川英治さんの小説「宮本武蔵」を基にしています。
1998年9月から講談社のモーニング誌で連載が開始され、現在までに37巻が刊行されています 。
この作品は、絵の美しさとリアリティを追求したストーリーテリングで知られています。物語の中心は、伝説的な剣豪、宮本武蔵の生涯と成長を描いていますが、作者はその生活全体を詩的に表現することを目指しています 。
簡単なあらすじ
「バガボンド」は、宮本武蔵の若き日々から始まり、彼の剣士としての成長を描いています。
第一章 宮本武蔵編

1600年、主人公の新免武蔵(しんめんたけぞう)は、関ヶ原の戦いで敗北した後、故郷を離れます。沢庵との出会いをきっかけに、自らの存在意義を見出し、「宮本武蔵」と名乗り、剣の道を追求する旅に出ます。武蔵は各地で多くの剣豪と戦いながら、次第に強さを増し、自己を深く見つめ直していきます 。
第二章 佐々木小次郎編

関ヶ原の戦いの17年前、幼い佐々木小次郎が越前の鐘巻自斎に拾われ、彼の元で剣の技を磨いていく様子が描かれます。小次郎は耳が聞こえず、言葉を持たないがゆえに剣を通じてのみ人と繋がり、最強を目指していきます。この章では、若き日の武蔵や他の登場人物も描かれ、物語に厚みを加えています 。
第三章 地上最強編

物語は1604年から1605年の京都に舞台を移し、22歳になった武蔵、又八、小次郎のそれぞれの運命が交錯します。武蔵は吉岡兄弟との再戦を果たし、死闘の末に彼らを打ち破りますが、その代償として右足に深刻な負傷を負います。この戦いを通じて、武蔵はさらなる成長と自己発見の旅を続けます 。
作品の見どころ

漫画『バガボンド』の見どころについてご紹介します。
宮本武蔵の成長と内面の描写
『バガボンド』は、井上雄彦による宮本武蔵の生涯を描いた作品で、彼の成長過程が丁寧に描かれています。初めは暴力的で粗野な青年だった武蔵が、剣の道を通じて内面的にも成長していく様子が見どころの一つです。彼が様々な剣士との対決を通じて自己を見つめ直し、より強くなる過程が非常に魅力的です 。
佐々木小次郎との対比
佐々木小次郎もまた重要なキャラクターであり、彼の物語も深く描かれています。小次郎はろうあ者でありながら、剣術の天才として成長していく様子が武蔵とは対照的に描かれています。二人のキャラクターの対比が物語に緊張感と深みを与えています。
歴史とフィクションの融合
『バガボンド』は歴史上の事実と井上雄彦の独自の解釈を巧みに融合させています。実在した人物や出来事に基づきながらも、オリジナルのストーリー展開やキャラクターの心理描写が加わり、読者を引き込む魅力があります。この絶妙なバランスが読者を飽きさせないポイントです。
絵の美しさとリアリズム
井上雄彦の描く絵は、非常に美しく、リアリズムに富んでいます。特に戦闘シーンの迫力やキャラクターの細かい表情の変化が見事に描かれており、視覚的にも楽しめる作品です。また、自然の風景や時代背景の描写も丁寧で、物語の世界に深く没入することができます。
名言と哲学
『バガボンド』には、数多くの深い名言が散りばめられています。例えば、「無謀と笑うか?なんの天は笑いはしない」という武蔵の言葉は、挑戦することの重要性を説いています。また、他のキャラクターたちの名言も物語に深みを与え、読者に強い印象を残します 。
なぜ休載している?
バガボンドは2014年に37巻が発売されて以降10年近くの長期休載になっています。
「バガボンド」が長期休載している理由はいくつか挙げられます。
井上さんの体調不良

長期休載となった大きな理由の一つは、井上さんの体調不良であるとされています。
井上さんのブログでは2010年から体調不良を告白しており「バガボンド」を美しく完結させるために自分を追い込んだ結果、体調不良が悪化してしまったというのです。
2014年に体調不良により、「バガボンド」と「リアル」を休載し、2019年に「リアル」の連載を再開するまで5年近く漫画を描かない時期がありました。
スランプで続きが描けない

2022年12月3日に映画「THE FIRST SLAM DUNK」が公開され、それに伴って行われたインタビューで井上さんが長期休載中の「バガボンド」についても言及していました。
描きたい気持ちはずっとあります。ただ、描けないっていうだけで。あと、『リアル』は『バガボンド』を描いている時、『バガボンド』は現代と離れた世界だから。より精神的な世界だったりもするから。
引用元:COURT SIDE
スランプの原因について、「スラムダンク」「リアル」とは違い現代と離れた世界観で精神的な世界でもあるため、キャラクターに感情移入してしまい気分が落ち込んでしまうということがあるそうです。
スラムダンクの映画や他の連載で忙しい
バガボンドが長期休載中に同じく休載中だった「リアル」が2019年に連載を再開し、さらに2022年公開の映画「THE FIRST SLAM DUNK」では脚本・監督を担当していたため、なかなかバガボンドまで手が回らなかった状況でした。
連載再開の可能性は?

それでは、バガボンドの連載再開の可能性はあるのでしょうか?結果からいうと井上さん本人は前向きなようです。
前述した「THE FIRST SLAM DUNK」の公開にともない行われたインタビューで、こう語っていました。
『バガボンド』は『SLAM DUNK』とは全然違うことをやりたくて。その反対の…反対にあるようなものを描きたいと。『バガボンド』を描いたからこそ連れていってもらえた世界。それは物語の中でも、自分の仕事でも。『バガボンド』を描いていなかったらこんな展開はなかっただろうということもあったし。例えば、「最後のマンガ展」とか。いろんな意味で自分の幅を広げてくれた作品で…って、まだ終わっていないんですけど。もうね、早く描きたいんです。
引用元:COURT SIDE

映画が一段落ついたので、そろそろ連載再開を期待してしまいます。

まとめ
今回は、宮本武蔵の半生を描いた人気漫画「バガボンド」が休載している理由や作者の現在について書いてきました。
10年近く長期休載しているため「このまま打ち切りとなるのでは」という噂もありましたが、打ち切りの予定はなく、あくまで休載中のようです。
いつ連載が再開されるのかはまだ未定ですが、井上さんの体調や状況が整えば、完結に向けて連載が再開される可能性は高いといえます。気長に「バガボンド」の連載再開を待ちましょう。
最後までご覧いただき、有難うございました。