スペインの国旗の意味は?赤と黄色の由来から紋章に隠された5つの王国まで解説

スペイン

情熱的な太陽の国、スペイン。そのシンボルでもある赤と黄色の鮮やかな国旗は、見ているだけでどこかワクワクしてきますよね。

でも、「どうしてこの2色なんだろう?」「真ん中にあるかっこいい紋章には、どんな意味があるの?」と気になったことはありませんか?

実は、スペインの国旗には、大航海時代を駆け抜けた歴史や、いくつもの王国が一つになった物語がぎゅっと凝縮されているんです。

この記事では、スペイン国旗の色の秘密から、紋章に隠された5つの王国のシンボルまで、初めての方にもわかりやすく丁寧に解説します。

国旗の意味を知ると、スペインの歴史や文化がもっと身近に、そして旅行やサッカー観戦が何倍も楽しくなりますよ!

スペイン国旗の「赤と黄色」が持つ意味とは?

スペインの国旗をパッと見たときに、一番に目に飛び込んでくるのがあの鮮やかな赤と黄色ですよね。

現地では、この2色の組み合わせを「ロヒワルダ(Rojigualda)」と呼んで親しんでいます。

「赤(Rojo)」と「ドウカンソウという黄色の植物(Gualda)」を組み合わせた言葉で、まさにスペインを象徴するカラーです。

まずは、この2色にどんな願いや歴史が込められているのかを見ていきましょう。


「血と金」と呼ばれる伝統の2色

一般的に、この2色はスペインの豊かな自然や歴史を表していると言われています。

赤色:
国を守るために流された「尊い血」、そして人々の「情熱」

黄色:
豊穣な大地、燦々と降り注ぐ「太陽」、そしてかつて繁栄を極めた「黄金(富)」

「血と金」と聞くと少しドキッとするかもしれませんが、それだけ激動の歴史を乗り越えてきた誇り高い国であることの証でもあるのですね。


なぜこの色に?きっかけは「海の上での見やすさ」だった

ロマンあふれる「血と金」の由来ですが、実はこの色になったのには、もう一つ「とても実用的な理由」がありました。

時計の針を18世紀の終わり(1785年)まで巻き戻してみましょう。

当時のスペイン国王だったカルロス3世は、ある悩みを抱えていました。それは、海の上で自分の国の軍艦がどれなのか、遠くからだと見分けがつきにくいということ。

当時のヨーロッパの国旗は「白」を基調にしたものが多く、遠くから見るとフランスやイギリス、他の国の船と見間違えてしまい、海戦のときに大混乱が起きていたのです。

そこで国王は、「とにかく海の上で一番目立つ、絶対に味方だと見間違えないデザインを作れ!」と命じました。

何十もの候補の中から選ばれたのが、青い海や白い波の中でも圧倒的に目立つ「赤と黄色」の組み合わせだったのです。

美しさや意味だけでなく、「海での見やすさ」という実用性から生まれたデザインだったなんて、ちょっと面白い歴史の舞台裏ですよね。

中央にある「紋章」に隠された5つの物語

スペインの国旗をさらに深く知るための主役が、黄色い帯の少し左側に配置されている、このかっこいい「紋章(コート・オブ・アームズ)」です。

スペインの歴史が詰まった紋章. ソース: Wikimedia Commons – Wikimedia.org

一見すると複雑なデザインですが、パーツを一つずつ紐解いていくと、スペインという国がどのように誕生したのか、そのドラマチックな歴史が見えてきます。

左右の柱:大航海時代を象徴する「ヘラクレスの柱」と格言

まず目を引くのが、盾の左右にどっしりと立つ2本の大きな柱です。これはギリシャ神話に登場する「ヘラクレスの柱」と呼ばれ、地中海の出口にあるジブラルタル海峡を象徴しています。

柱に巻き付いている赤いリボンをよく見ると、文字が刻まれているのがわかりますか?

ここにはラテン語で「PLVS VLTRA(現代の英語表記では Plus Ultra:さらなる彼方へ)」と書かれています。

かつて、地中海の外には何もない(世界の果てである)と信じられていた頃は「これより先はなし(Non Plus Ultra)」と言われていました。

しかし、コロンブスたちが大西洋を渡って新大陸を発見したことで、スペインは「もっと先へ進める!」という誇りを込めて「Non(なし)」を削り、この格言を掲げたのです。

大航海時代のフロンティアスピリットが、今も国旗に残っているなんて素敵ですよね。


中央の盾:スペインを形作った「5つの王国」のシンボル

真ん中にある盾は、かつてイベリア半島に存在し、現在のスペインの基礎となった「5つの王国」の紋章がパズルのように組み合わされています。

配置シンボル表している王国
左上黄色いお城カスティーリャ王国(城という意味の国)
右上王冠をかぶった紫のライオンレオン王国(百獣の王の勇敢さ)
左下黄色と赤の4本の縦縞アラゴン王国(地中海に勢力を持った国)
右下ガッチリと結ばれた金の鎖ナバラ王国(戦いの勝利の歴史)
最下部小さなザクロの実グラナダ王国(イスラム勢力最後の拠点)

1492年、キリスト教国がイスラム勢力から領土を取り戻した「レコンキスタ(国土回復運動)」が完了し、これらすべての地域が一つになって今のスペインが生まれました。

国旗の盾は、まさにその団結の歴史を表しているのです。


一番上の王冠:現在のスペイン王室を表す「ブルボン家」の紋章

最後に、盾の真ん中にある小さな青い楕円に注目してみてください。ここには、かわいい3つの「百合(ゆり)の紋章」が描かれています。

これは、18世紀から続く現在のスペイン王室の家系である「ブルボン家」のシンボルです。そして、盾の一番上と、左側の柱の上には大きな「国王の王冠」が。

右側の柱の上には少し形の違う「神聖ローマ皇帝の王冠」が載っており、かつてスペインがヨーロッパの巨大な帝国だった歴史を物語っています。


スペイン国旗にまつわる3つの面白い雑学(トリビア)

スペインの国旗には、お友達や家族にちょっと話したくなるような、面白いトリビアが隠されています。

①:実は「紋章なし」のシンプルな国旗もある?

私たちがよく目にするのは紋章が入った国旗ですが、実はスペイン国内では、赤・黄・赤の3本の帯だけの「紋章がない国旗」も使われています。

紋章が入ったものは「政府や軍隊、公式な行事」で使う正式な国旗で、紋章がないものは「一般の市民や民間の建物」で掲げられることが多いです。

ただ、現在では民間でも紋章入りが広く使われているので、どちらも間違いではありません。


②:国旗の赤と黄色の比率は「1:2:1」

スペインの国旗をじっくり見てみると、真ん中の黄色い部分が少し太いことに気づくはずです。

実は、上から順に「赤が1:黄色が2:赤が1」という法律で決められた比率になっています。

真ん中の黄色を思いきり広くすることで、先ほどご紹介した「海の上でも一番目立つデザイン」をしっかりと実現しているのですね。


③:リボンに書かれた「Plus Ultra」の深い意味

先ほど紹介した左右の柱のリボンに書かれた「Plus Ultra(さらなる彼方へ)」。この言葉は、現代のスペインでも非常に大切にされています。

歴史的な意味だけでなく、現代のスペイン人にとっても「困難に立ち向かい、常に前を向いて新しい可能性へ挑戦し続ける」という、国の前進するエネルギーを表すポジティブなメッセージとして愛されている言葉なのです。


まとめ:スペインの国旗は「国の歴史」そのもの

いかがでしたでしょうか? 一見するとシンプルで情熱的なスペインの国旗ですが、その中身を知ると、驚くほどたくさんの物語が詰まっていることがわかりましたよね。

最後にもう一度、大切なポイントを振り返ってみましょう。

  • 赤と黄色(ロヒワルダ): 「血と金」の情熱だけでなく、海での見やすさを追求した実用的なカラー
  • 中央の紋章: かつてイベリア半島に存在した「5つの王国」の団結の証
  • 左右の柱とリボン: 大航海時代のフロンティアスピリットを表す「さらなる彼方へ」のメッセージ

ただの「デザイン」として見るよりも、こうした歴史の背景を知ってから眺める国旗は、きっと何倍も魅力的に映るはずです。

これからスペイン旅行に出かける方や、サッカーの国際試合を観戦する方は、ぜひ国旗の細かいパーツにも注目してみてくださいね!

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